12日間のアメリカ横断記録
~たった一人の単独ドライブ~
12日間のアメリカ横断 Day 0(計画を練る)
アメリカ横断出発まで
2018年 9月 アメリカ大陸横断を思いつく
今回のアメリカ横断を思いついたのは2018年9月頃。実際に旅立つ半年前くらいだったと思う。
小学6年生の時に社会の教科書のカラーページに載っていたグランドキャニオンに心を奪われ、大人になってからグランドキャニオンを訪れた。
目の前に現れた形容できないほど荘厳な景色に言葉を失い、渓谷ができるまでに流れた悠久の月日に思いを馳せると、自分が本当にちっぽけな存在に思えた。
あれから20年。
グランドキャニオンの雄大さに、もう一度圧倒されてみたいと思っていた。
モニュメントバレーで地平線に消えていく真っすぐな道を走り抜ける・・・
アメリカのマザーロード “Historic Route 66”。
そんな想像をしていたら、もう後戻りできないくらいに心に火が付いていた。
多少の不安は正直言ってある。
アメリカ横断に必要な日数は?
たった独りでアメリカ横断するリスクは?
サラリーマンの自分が休暇を使ってできることなのか?
調べることで少しづつ不安が取り去られ、アメリカ横断が現実のものになっていく・・・
結局、全行程は12日間。
“たった独りで” ”レンタカーで” ”ニューヨークが最終目的地” ”大陸の真ん中あたりを通って” ”宿はその日の気分で” ”旅を通して人生を見つめなおす(笑)” という大まかなプランを決めて、あとは気になるところを少しずつ詰めていった。
行ったり来たりの横断計画
出発地と到着地
アメリカ横断の起点は、西側はロサンゼルス(L.A.)かサンフランシスコ、東側はニューヨーク(NY)に決めた。
20数年前に住んでいたNYを最終目的にすることはすぐに決まった。
昔、アメリカ横断ウルトラクイズという番組があった。日本での予選に始まり、クイズを勝ち抜きながら最終地NYを目指す。
最後は自由の女神とご対面なわけだが、今回はそれと似たゴールイメージ。
西側の出発点は L.A. を選んだ。
必須訪問地と考えていたグランドキャニオンに近く、ルート66を通過しやすいという理由からだ。
全行程のおよその必要日数を見積もる
会社からは10日間の連続した休暇がもらえるので、土日を付けて12日間。
実際は、2019年3月9日~3月20日 という日程で、21日が “春分の日” の祝日のため急な日程変更のバッファーがあることも好都合。
12日間というのは日本を出て帰国するまでの日数で、機内を除いたアメリカ滞在はほぼ10日間、
アメリカ東西の3時間の時差、そして今回運悪くデイライトセービングタイム(サマータイム)の変更時期に当たり1時間損をした。
※ 3月9日 12時 にL.A.で車の貸し出し、3月18日 18時 にNYで返却(L.A.時間の14時)、3月19日の便で帰国
L.A.からNYは直線距離でほぼ 4,000 kmだが、実際のドライブルートでは最短でおよそ 4,500 km(2,800マイル)。
1日平均500 km 走ればいい。
東京/大阪間がおよそ 500 km だから、ハードだが計算上は不可能ではない。
なんか、いけそうな気がしてくる!
でも、500 km の運転を連続で9日間も続けられるのか?
観光が全くできないかも・・・
観光地に寄ったら 5,000~6,000 km くらいあるんじゃないか?
足が疲れたら、腰が痛くなったら、独りだし、車が途中で故障したら・・・
タラレバを考えるときりがない。
最終的には、大雑把にこんなふうに決めた。
- 9日間でNYにたどり着く計画にして、1日予備日を設ける。
- 西部の見どころで3~4日使い、その後は1日 800~1,000 km くらい走破する。
- 予定通より遅れていたら、後半の観光は諦める。
- 帰国便に間に合わない場合は、途中のレンタカー営業所で車を乗り捨てて、国内便フライトでNYに向かう。または、最悪、帰国便を変更し1日遅らせる。この緊急事態の場合は、かなりの追加費用を覚悟する。
こうやって具体的に考えると、10日間で完走できそうと思っていた気分が一気に失せていく。
具体的にルートと訪問地を決める
気分を取り直して、詳細なルートを決めるために、訪問したい場所を挙げてみる。
★絶対行きたい場所★
- モニュメントバレー
- ブライスキャニオン
- グランドキャニオン
- マンハッタン/自由の女神
- ルート66(特にセリグマン)
- バクダッドカフェ(映画「バグダッド・カフェ」を見て憧れていたお店)
- Palm Too(個人的にNYでお気に入りのステーキ店)
★できれば行きたい場所★
- アンテロープキャニオン
- イエローストン
- ホワイトサンズ
- ヨセミテ
- ソルトレイク
- ザイオン
- ペトリファイドフォレスト
- ナイアガラ
- ラスベガス(ベラージオホテルに泊まる)
- キャデラック・ランチ
- フォー・コーナーズ
- ニューヨーク大学
有名な観光地から個人的な趣味で選んだ場所まで挙げてみる。
行きたい場所を地図上にスポットしてみたら、ヨセミテ、イエローストン、ソルトレイクは直線ルートから北側に大きく外れ、ホワイトサンズは逆に南側に外れるため断念。
10日間の日程では、「思ったほど」というか、「やはり」というか、時間的な余裕はなく、仮ルートはあっさりと決まった。
出発前に決めた仮ルート
【1日目】 ロサンゼルス ~ バクダッドカフェ ~ ラスベガス
【2日目】 ラスベガス ~ ルート66(キングマン、セリグマン) ~ グランドキャニオン
【3~4日目】 グランドキャニオン ~ ブライスキャニオン ~ アンテロープキャニオン ~ モニュメントバレー
【5~7日目】 モニュメントバレー ~ ペトリファイドフォレスト ~ サンタフェ ~ キャデラックランチ ~ オクラホマシティ ~ セントルイス ~ インディアナポリス ~ コロンバス ~ バッファロー(ナイアガラの滝)
【8~10日目】 バッファロー(ナイアガラの滝)~ ニューヨーク
総走行距離 約 6,000 km(約3,740マイル)・・・想像よりも長距離。
車を借りている10日間で 6,000 km を走り切る過酷な旅になる。
観光と L.A.~NY走破の両立は思ったよりもハードなようだ。
ちょっと顔が引きつる・・・
泊まる宿を決める
今回の旅では、あらかじめ宿泊する場所や宿を決めないことにする。
トラブルでたどり着けなかったり、逆に、元気でもっと先まで進める日があるかもしれないので、宿は予約せずに当日探すことに。
アメリカ西部の映画に出てきそうな寂れたモーテルに泊まろうと思っていたが、車上荒らしのリスクが高まる。日程に余裕がないので、非常に残念だがそういうトラブルは避ける方針にした。
いずれにしても、夕方ごろに宿泊地を決めて、ホテル検索サイト(Expedia や Hotels.com など)で検索して、その場で予約すれば問題なさそうだ。
ただ、今回の旅で宿泊場所にこだわりたいところが3か所あるので、そこはあらかじめ予約することににする。
その3か所とは、
①ラスベガス: 昔ラスベガスに行ったときにベラージオというホテルの噴水ショーが印象に残っているので、そこにどうしても泊まってみたい。
②グランドキャニオン: 好立地の日の出が見やすいホテルに泊まってみたい。眺めのいいトレイル近くのホテルは、相当前からの事前予約必須。
③モニュメントバレー: 映画でよく見る風景がばっちり見える宿に泊まりたい。こちらも早期予約必須。
レンタカーを予約する
レンタカー選びは、旅の楽しさに大きく影響すると思う。
- 長距離ドライブなので疲れにくい大きめの車
- せっかくなのでアメ車 安心感は捨てることに・・・(笑)
- できればオープンカー
そんな条件を一応考えて、WEBサイトで見積もりをしてみる。
驚いたのはNYでの車乗り捨て料金。
まあ、L.A. の車を NY で置き去りにするのだから仕方ないが、5-10万円のプラス。
結局、どんな車を予約したかは、“12日間のアメリカ横断 Day 1” で!
予算を見積もる(いくらかかるのか?)
大体の旅程も決まってきたので予算の概算を計算してみる。
- フライト代: 170,000円
JALのマイレージ会員なのでJALエコノミー限定で探したが、10万円以内のフライトもある - レンタカー代: 150,000円
同条件の相見積もりで安かったAlamoに決定も、6万円の乗り捨て代は痛い - ガソリン代: 45,000円
WEBで調べると75円/L(2018年3月)、燃費は10 km/L、走行距離6,000 kmで計算すると、6,000÷10×75 = 45,000円 - 宿泊費: 120,000円
1泊 12,000円、10泊分で計算 - 食費: 45,000円
朝食 800円、昼食 1,200円、夕食 2,500 円 × だいたい10日分 - Wi-Fiレンタル費: 21,000円
Google mapをナビ替わりにするので、Global WiFiで 4G LTE 超大容量を12日間レンタル - 国内交通費: 10,000円
自分の場合は成田までの往復の電車賃や近場でのタクシー移動など - 観光地入場料等: 10,000円
国立公園入場料や施設見学費など - その他雑費: 30,000円
何か忘れているかもしれないのでざっくりと置いてみた
合計で約60万円!
結構しますねぇ・・・
フライト代、宿泊費、レンタカー代はもっと抑えられるから、頑張れば40万円前半くらいにはなると思う。
あとは、不便さやリスクをどこまで取るか次第。
でも、今回は自分探しの旅。アメリカ横断なんて何回もできるものではない。
お金よりもやりたいこと優先で!
レンタカー代、宿泊費、ガソリン代、Wi-Fi代は、2人でも変わらないから、人数が増えるとグッとお得感が出てくるはず。
今回の一人旅はコスト的にはお得感がないが、それは仕方ない・・・
その他の考えるべきこと
- ガソリンスタンドを探しておく
特に西部は自分のルートに200~300kmくらいガソリンスタンドがないところもあるとアメリカ人からのアドバイスがあったので、Google mapなどで事前に確認し、リスト保存することにした。 - 車故障、トラブル時のリスク
砂漠地帯で故障したらまずいので、水と食料を積んでおくことにした。
日本から煎餅や粉末スポーツドリンクを持っていき、現地のスーパーで水やスナックは調達することにした。
車のパンクなどのお助けは、AAA(日本のJAFのアメリカ版)に連絡すればどうにかなりそう。
いざというときはネットでAAAを検索すればよい。
車上荒らしは怖いので、外から見えるところに荷物は置かない。特に夜は、水など以外は全部宿泊部屋に持っていく作戦でいこう。
こんな風にして、アメリカ横断が現実のものとなっていった。
- いよいよアメリカ大陸へ 続きの記事→ 12日間のアメリカ横断 Day 1